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「インフォームド・コンセント」から「インフォームド・チョイス」へ


 獣医療の世界でも、飼い主さんへの情報公開である「インフォームド・コンセント」を行うことは、特別なことではないと言われるようになりましたが、まだ、獣医師が一方的に治療方針などを伝えるだけという域を出ていないのではないでしょうか?

 当院では「インフォームド・コンセント」から「インフォームド・チョイス」へと進化しているのです。そのコンセプトとは・・・・

 ケガをした動物が連れてこられました。その治療方法には、ふたつの選択肢が考えられます。ひとつは、まず「一次癒合」の治癒機転をさせるため、ケガをしている部分の辺縁切除を行い、縫い合わせる外科的な治療です。そして、もうひとつは、傷口を洗浄して抗生物質を投与しながら、自然に肉芽が出てきて傷がふさがっていく(二次癒合)のを待つ「自然治癒」療法です。

 外科的な手術を行えば、傷口は1週間で治ってしまうでしょう。でも、「自然治癒」療法では、完治までに3〜4週間はかかります。それなら、外科的な手術の方が良いではないかと思うかもしれませんが、例えば高齢な動物の場合には、手術時の麻酔リスクを考えなければなりません。また、治療にかかる費用も自然治癒療法の方がずっと安いのです。

 治療に幾つかの選択肢があることを伝えて、飼い主さんにどの治療法にするかを選んでもらうのです。それが、「インフォームド・チョイス」の考え方です。複数の治療方法とそれらに伴う予後、治癒に要する期間、かかる費用といったいくつかの要素をきちんと伝えて、飼い主さんに複数の選択肢を提供しています。

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